2007年のASP世界ツアーがハワイで幕を閉じた
オーストラリア、クーランガッタ
(2007年12月22日 金曜日)
10フィートのパーフェクトパイプラインとはならなかったものの、Billabong Pipeline Mastersファイナルデー、そして、この日はFoster's ASP 世界ツアーの最終日と同時になり、多くのドラマが生まれた。それは来年度の世界ツアークォリファイへの最終チャンスという大きな目標を含むランキング上位への戦いが繰り広げられた。更にVans Triple Crown シリーズチャンピオン争いに加えてメンズ世界ランキング総合2位争いもあった。
最終的にヒーローはオーストラリアのダークホース、ビード・ダービッジだった。ダービッジは副賞の車、優勝トロフィー、賞金、そしてなによりもBillabong Pipeline Masters イベントチャンピオンとなった。このイベントにファイナル進出となった時点でVans Triple Crown シリーズチャンピオンも決定した。ファイナルでは、余裕が出たのか4名のファイナリストの中、1人離れた位置からのポジションを取り、今日一番の波を掴み、9.5ポイントをスコアする事に成功し、これが優勝の決めてとなった。唯一コンボの状態を免れ、チャンスを狙ったのがディーン・モリソンで、やはり他の選手との争いを避け、7.83ポイントに成功したが、その後は運も尽き、ファイナル終盤に次の波が来なかった。
誰の目からも、この日一番調子の良いサーファーをしていたのは、ジョエル・パーキンソンだった。全ヒートで9点台のスコアに成功し、この日はバックドアというよりも、ホームのデュランバーのようなコンディションで、まさしくはじけていた。又今回、初めて採用されたデュアルヒートフォーマットは成功した。しかし、ファイナルだけが通常の4名フォーマットが採用され、ファイナリスト全員の標的がパーコとなり、完全にマークされ、不運に遭った。それはどの選手にも仮にパーコに良い波を乗せれば、誰にも優勝のチャンスは無いと見たのだろう。かなりの激戦となり、それは4名ヒートの運命は、波の取り合いによる激しい戦いになり、そしてプライオリティーも無い事からインタフェア以外大きなルールが無いので、いちかばちかの勝負に出るしかない面どうしても無かった。
その反面、ビードは1人で戦い、挑戦を受ける事は無かった。終盤、彼がパーコとディーンのいる場所に移動すると、ディーンとのパドリング合戦に巻き込まれ、更にパーコは、このピークから追い出されるような格好となった。もう1人、唯一ハワイ出身のファイナリストがパンチョ・サリバンで、バックドアで勝負をしたが、不運にも波が来なかった。終盤オフザウォールでサーフする、他の面々の場所に移動した時は、既に時遅しで、とても逆点には程遠い位置だった。
今日Vans Triple Crown ディレクターのランディー・ラリックが、以下のような表現をした。「今日をウェイティング期間の最終日とする。波は1フィートで、強い雨の天候です。オフザウォールに波があり、神様に感謝したいです。」長い期間ハワイでサーフィンコンテストに関わって来たが、オフザウォールでのサーフイベントは記憶に無い。パイプラインマスターズ史上に新しい要素が加わった。最初に協議された大事な要素は、今の波はパイプラインではなく、またしばらくパイプラインに波が立つ見込みは無いと言うもの。ウェイティングの最終日まで待っても良好な予報はなく、波は見込めないという事から、イベントディレクターのバーニー・ベイカーは、非情の決断に迫られた。その判断は正しかった。多く詰め掛けたギャラリーと大サポーター達はパフォーマンスサーフィンを見る事が出来た。パイプラインのチューブは無いし、バックドアのばれるも無い、あったのは大きなリッピングとリバース360°がオフザウォールで見られた。
フレッド・パターチアとブルース・アイアンズには、はっきりとした目標があり、更にクリス・ワードには守らなければならない立場があった。クォリファイになんとか手が届いたのがフレッドとブルースだった。それはまるで2人が共に地獄の激流を抜けると力尽き、その直後敗退となった。ワードは更に5位入賞まで走り、オフザウォールで素晴らしいサーフィンを見せた。不運となったのがフィリップ・マックドナルドとコーリー・ロペズだった。共に勝ち進む必要があった。コーリーは、昨年のイベントのファイナリストで、その再来となればクォリファイとなったが不運にもバレルライドが成らなかった。マックドナルドは、あと一番に手が届かずで、28位に終わり、来年は負傷者とキャンセルが来年出ないかぎり世界ツアーに出場が出来無い。
今年ツアー2勝のタジ・バローはBillabong Pipeline Mastersで世界ランキング2位を決定した。バローは2月のASPアワードでミック・ファニングに次ぎ、総合2位の表彰を受ける。タジは1999年にもマーク・オキルポに次いで2位の実績があり、今年の調子も素晴らしいものだったが、頂点を極めるには至らなかった。ミック・ファニングとの逆転は成らなかったが、今年彼が世界1のサーフィンをしている時期があったのも確かだった。ケリー・スレーターは王座をミック・ファニングに譲りながらも世界ベスト3に終わり、未だにその健在ぶりを証明し、過去8回の世界チャンピオンとなった元王者は常に世界チャンピオン候補である事をも証明している。
世界ベスト5に続くのが、ジョエル・パーキンソンとビード・ダービッジである。共に2007年は素晴らしい活躍だった。パーコは全イベントの上位に食い込んだが後1つの詰めが無かった。彼にはBillabong Pipeline Mastersが唯一のファイナル進出だった。ビードの今年のスタートは素晴らしく、開幕戦でミック・ファニングに次いで2位となり、中盤戦も良いところを見せた。更に最終戦パイプラインで遂に頂点を極めた。
このような素晴らしい活躍の後、来年はビード・ダービッジに更に上位に食い込むであるだろうか。これで彼もエリート中のエリートの仲間入りをし、来年は高いシードからの出場となる。更にベスト10に続くのが元3回世界チャンピオンとなったアンディ・アイアンズで、チリでの優勝を示す印象は強かった。彼の高い能力からすれば確実に来年はまた頂点を狙ってくるに違いない。
昨年、ボーダーラインで何とかクォリファイしたパンチョ・サリバンは、今年ジェフリーズベイ以降は調子が良く、世界ランキング7位に終り、生涯ベストシーズンとなった。既に30代半ばとなるが衰えを見せない、遅咲きの彼から目が来年も離せない。初のヨーロッパ出身のサーファーでベスト10入りしたのが、ジェレミー・フローレスが8位で終え、素晴らしいルーキーシーズンを飾った。昨年より1つランキングを上げたのがディーン・モリソンで9位。Billabong Pipeline Mastersでは2位に入賞した。昨年から少しランキングを下げたのがボビー・マルチネスで、ムンダカでは活躍をし、ベスト10入りを2年連続でキープした。
ミック・ファニングよりも凄いクーランガッタの凱旋帰国となったのが、ASPウィメンズ世界チャンピオンのステファニー・ギルモアであった。この凄いティーンエイジャーは、あふれんばかりの笑顔で一杯だったのが印象的だった。それは今年の活躍からすれば当たり前と言ったところだろう。世界有数の最高峰をルーキーシーズンで次々となぎ倒し、更に成長を続ける存在だ。ギルモアが先頭に立ちウィメンズサーフィンは異次元の世界にこれから向かうであろう。
その影に、レイン・ビーチリー、リサ・アンダーソン、ウェンディー・ボーサ、フリーダ・ザンバ、デビー・ビーチャム、そしてマーゴ・オバーグ達が1970年代半ばから頑張ったからこそ、それに次いだのがステファニーである。ウィメンズサーファー達皆を代表し、新しいチャンピオンに相応しい存在がまさしくステファニーである。皆で誇りに思うことであろう。
ASPインターナショナルを代表してメリークリスマス。素晴らしい新年をお迎えください。
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