WCT News
注目を浴びたふたり
 

ラウンド3の第4ヒートから11ヒートまでをベルズで、その後の16ヒートまでは隣のウインキーポップに会場を移しての本日。ギャラリーの注目を浴びたのはデーン・レイノルズと、ケリー・スレーター。

まだ10点満点は出ていないこの試合でのハイエストスコア、9.90と9.73のトップ2を独り占め。ベスト2トータルでのハイエストスコアのトップ2、ラウンド2の18.73、ラウンド3も同じく18.73も独り占め。ポイントだけ見てたらもう、デーンぶっちぎり、みたいなことになると思う。でもね、現場にはヒート表やビデオじゃ見えないものがあるわけよ。

サーフィンは誰がどう見てもケリー。

デーンのやっているサーフィンの完成形がケリーのサーフィンだと思う。ま、あのサーフィンをこのツアーに持ち込んだのはケリーだから、デーンはまだそのレベルに達していないという見方も出来るわけだけど、まぁね、デーンがケリーの年齢になるのにまだゆうに10年以上あるわけだから、全然そのレベルじゃなくてもいいんだよ。10年あればね、いつか、もうひと踏み、レールを踏み込むことが出来るようになるから。

このふたりのサーフィンは、似たようなスタイル、組み立て、ライン取り、マニューバーなんだけど、大きく違うのはその後ろに飛んでいるスプレーの厚さや形、引きずっているトラックの深さ、そしてサーフィンの力強さだと思う。ひとつひとつをじっくり見ると、やはりケリーの方がより厳しいアプローチをしているし、安定感と力強さは格段に上だと思う。

しかも、一度は公式にこのイベントをキャンセルし、そのキャンセルを覆してまで、ここにやってきた今回のケリーは、ゴールドコーストで見たときとはまた違った印象がある。なんか、何かが吹っ切れたというか、覚悟が決まったというか、なんかそんな雰囲気がある。勝ち負けは関係なく、自分のサーフィンを見たい人に見せに来た、みたいな感じ? なんて説明していいかわからないけど、試合に勝つ負けるって言うより、彼の今その波で出来る最高のサーフィンをギャラリーに見せよう、みたいな雰囲気がラウンドワンからずっとある。これは私の個人的な感覚なので、他の人たちがどう感じてるかはわからないけど、私はそれを強く感じる。これはね、ギャラリー大喜びなはず。そういう心意気って通じるでしょ、普通。今日なんかエアーも決め放題で、ギャラリー大満足だから。

ケリーがあのまま、彼のベストを出し続けるとしたら、開幕2連勝は固いかな、と思う。デーンもいいけど、この辺が彼のこの試合でのピークじゃなければいいな、という不安は付きまとうし、ケリーはあれでもまだこの試合でのピークを迎えた感じではないし。

すべては明日、決着がつくはずだ。風はオンショアに変わるものの、波はサイズアップする予報。ラウンド4からファイナルまで、おそらく明日、誰かがあの大きなベルを鳴らすことになるだろう。