今シーズンのオープニングイベント、クイックシルバー・プロが早くもスタート。ケリーも10度目のタイトル目指して順調にスタートした。
ダントツの人気と実力を誇る9タイムワールドチャンピオンだけど、今シーズンはスタートから話題も独り占め。なにが話題って、自分でシェイプしたボードでラウンドワンを戦ったのだから。もう今日はメディア筋はその話題で持ちきり。ホント、おいしいところは総取りの帝王です。
シーズンオフのケリーはボードの調整に余念がなく、さまざまなEQを試していたらしい。メインシェイパーのアル・メリックとも密に連絡をとり、かなり時間を割いてボードをそろえたようだ。
ま、GFのカラニがカリフォルニアにいるから、同じカリフォルニアをベースにするアルとゆっくりそういうことをするのも容易になった、みたいなところもあるんだろうけど、ボードの調整にかなりの時間を費やし、10度目のタイトル奪取にむけて走っている。
で、話題の彼自身の手によるシェイプのボードは5フィート4インチの4フィン。ころころしたビスケットみたいなヤツだ。ま、本日の2-3フィートのビーチブレイクの波には最適だったかもしれない。敗者復活があるラウンドワンだから、余裕こいてあんな板に乗ってたんだと思う。ラウンド3になったら、マジなヤツ持ち出してくるんじゃないかな。あるいはコンディションによるか。ま、最後まであれで行くとは思えないけど、動きは悪くなかった。すごくルースなんだけど、それをケリーは無理やりレール沈めてレールで持ってちゃうから、すごいことになる。もう無理無理なカーヴィング360とか、ボードごと投げ出しのレイバックとか、新しいマニューバーみたいなライン。ギャラリー騒然。
普通のあの手のクワッドみたいなヤツにケリーが乗るのを何度も見たことあるけど、印象としてはルーズすぎる感じだった。ケリーの脚力に板がついてこない感じ。でも、このケリーシェイプのクワッドタイプだと、なんかそのルーズ感があまりないような感じで、最後のギリギリのところで持ちこたえるタイプのような板に見えた。ま、もしかしたらケリーがそう見えるようにうまくコントロールしてるのかもしれないけど。
しかしなぁ、サーフィン創世記ならいざ知らず、最近の世界的なコンペティターで自分シェイプの板で公式戦に出て勝ったやつってあまり記憶にないな。だってだいぶ昔からサーフィンって、サーファーとシェイパーとの二人三脚ってのがセオリーっつ†か、常識でしょ。乗る人と削る人の役割分担。
もしかしてケリーの10度目のタイトルには、自分のシェイプした板で勝ったチャンピオンって、おまけがつくようなことになるんだろうか。
サーフィンを極める、ということを追及すると、サーフィンそのものだけでなく、サーフィンの物理学的な理論や、ボードの運動性能やシェイプみたいなことだって極めなくちゃならないのは当然だ。そう考えると、ケリー・スレーターというひとりのサーフィンオタクは、近代サーフィンの中で初めて、サーフィンというスポーツの中にあるすべての要素を極めてしまうことになるのかもしれない。